第2回
原作:附田祐斗 作画:佐伯俊 協力:森崎友紀
食戟のソーマ
現役の編集者が、担当作品オススメの一話を熱弁!マンガにかける思いや制作ウラ話など、ここでしか読めないマル秘情報がもりだくさんのコーナーだ!!第2回は、ジャンプの“新鮮力”を担う料理バトル『食戟のソーマ』!!それでは行ってみましょう!推す!
推す!この一話はコレだ!
ジャンプ・コミックス3巻
第21話"至上のルセット"
ジャンプ・コミックス1巻
第4話 "魔王、「玉」を語る"
先生が涙ぐんだ名場面

—前回に引き続き、コーナー名に反する二話セレクト!中路さん、推す!一話が2つになった理由は何ですか?

中路 一番は3巻の最終話、第21話"至上のルセット"なんですが、これはあちこちですでに語っているんですよね(笑)。なのでまだ喋った事のない、もう一話を用意してきました。

—おおお!お気づかいありがとうございます!ではまず、"至上のルセット"からお願いできますか?

中路 田所恵(たどころめぐみ)というソーマの同級生が、四宮(しのみや)というスゴ腕の料理人から理不尽な退学宣告を受けたんです。その退学理由に納得のできないソーマが、彼女を救うため四宮へ宣戦布告する…といった話です。

四宮は、この学園を卒業した天才シェフ!そんな強敵だがソーマの怒りはおさまらない!!

中路 ソーマって基本的にはヘラヘラと皮肉で済ましちゃうようなやつなんですが、この回で「怒り」をあらわにしたんですね。これまで“何かよくわかんないやつ”というイメージが強かったソーマに、 “仲間思い”“熱いやつ”といった、人間性が描かれた瞬間なんです。

—ソーマは田所ちゃんに対し、強い仲間意識を持っていたんだと気づかされた一話でした。

中路 田所ちゃんに対して、ソーマは恐らくはじめ何とも持っていませんでした。でも寮でいっしょに生活をし、学園生活を送ることで彼女のもつ良い所を見つけ認めることで、じょじょに仲間意識が芽生えていったわけです。そして、そんな彼女が納得できない理由で落とされたことで、自分の地位をかえりみず無謀な戦いに挑んでいった…。とてもアツい場面だと思います。

—先生方は、この話についてどうおっしゃっているんですか?

中路 作画の佐伯先生は、すごく感情が乗ったので、描きながら涙ぐんだと言っていました。

—そうなんですね!たしかに退学宣告を受けた田所ちゃんの表情が見ててツラかったぶん、ソーマの発言はグッとくるものがありました。

最善をつくすためとはいえ、ルセット(レシピ)を勝手に変えてしまった田所ちゃん。かばうソーマに、精一杯の強がりを見せる。

中路 ソーマが四宮に食戟を挑むコマも、直前の田所ちゃんの表情が良いスパイスになっていて。涙、そして沈黙からの爆発…という流れが、気持ちよくハマっていますよね。さらに言うと、田所ちゃんのピンチ自体は前の週から描かれていたので、読者はこの週がスゴく気になっていたハズなんですよ。前週の20話から21話へ続いたこの展開は、本当に盛り上げることができたと思います。

—ソーマの“主人公”な雰囲気が前面にでて、かっこいいと思いました。

中路 ありがとうございます。かっこ良さを出したその翌週からが、とっても難産だったんですけどね…(笑)。ソーマが田所ちゃんのかわりに戦ってもダメ、四宮にカンタンに勝ってもダメ、もちろん負けてもダメ。ケンカを売ったはいいけど、どうしたらいいのと(笑)。その流れの中で附田先生は、全員の格を落とさないまま対四宮戦の決着までうまく描ききってくれました。

—その四宮シリーズのスタート回として、21話がはずせないんですね。

中路 そうなんですよ。…そして次に、『食戟のソーマ』というマンガを語るうえで欠かせないのが、第4話"魔王、「玉」を語る"なんです。

学園モノの下ごしらえが完了した瞬間
約千人の前で人を食ったような態度!だが、その言葉には確かな自信をにおわす。

—こちらはどういうお話ですか?

中路 ソーマの始業式ですね。作品の舞台である遠月学園は、料理の超絶エリート校なんですけれども。その学園で“食の魔王”と恐れられている総帥が、演説をバシっと決めるんです。「諸君の99%は 1%の玉を磨くための 捨て石である」と。それを聞いた全生徒は、自分がその1%になるんだ!と奮い立つわけですね。でもその直後に、編入生のソーマが“この学園を踏み台としか思ってない”って、大それた所信表明をしちゃうんですよ。

—元々いた生徒からすれば、ポッと出が、なに言ってんだって話ですよ(笑)。

中路 そうなんです。ソーマはこの発言で全生徒を敵に回した。てことはつまり、同級生みんなが、瞬間的にソーマの存在を認知したんですね。ほかのキャラがソーマにケンカをふっかける理由もできたし、今では信頼をおいている田所ちゃんですら当初は「あの編入生には近づかない」って誓っていたわけで。学園モノの話を作るうえでソーマの立ち位置が決まったというか、対立構造が整ったというのがこの回ですね。

—初めからこのような展開にしよう、とは決まってなかったんですか?

中路 はい。学園で強いやつをバタバタと倒していくという、大まかな流れは決まっていたんですが、そのためのアイデアが定まっていなかったんです。そしたらある日、佐伯先生からソーマの所信表明という案が出てきたんですよ。

—作画の佐伯先生のほうですか!

中路 総帥を上回る発言をしちゃえば面白いんじゃない?って。附田先生とも話して、いいね!ってことで決まりました。総帥の演説の内容は僕が以前聞いたことのある実話を元にして、それらを含めて附田先生にうまくまとめていただいた感じなんです。

凍りつく始業式!若き料理人たちの血と汗の戦いは、こうして静かに幕をあけた。

—中路さんの発案だったんですか…!

中路 どこかの芸術大学の入学式で、そういう挨拶をするらしいんですよ。浮かれている新入生に、いきなり冷水をぶっかけるというか…。捨て石って厳しい言葉ですよね。でも生徒が今後全員、クリエイティブな世界で食べていけるわけではないですから…。ハッキリと言っちゃうところが面白いな〜、いつか使ってやろう!とずっとあたためていたんですよ。

『ソーマ』は、4人で!

—先ほどからちょくちょく気になっていたんですが、『食戟のソーマ』という作品はどうやって作られているんですか?

中路 基本的には附田先生と僕の二人でする打ち合わせをもとに附田先生が話を組み立てていくんですが、本当は常に佐伯先生含めて3人かさらに森崎先生も加えた4人で集まって打ち合わせをやりたいという気持ちでいます。それぞれ視点やこだわりが異なるので、3人や4人のほうがアイデアがよくでてくるんですよ。週刊連載だとスケジュールが詰まってしまうので、どうしても毎週は難しい現状なんですけれども、それでも最低月イチは集まって話し合っていますね。

—中路さんと附田先生が打ち合わせで決めた内容を、作画の佐伯先生に伝える。という作り方なのかなと勝手に思っていました…。

中路 ストーリーの打ち合わせに作画担当も同席する…ということは、確かに他の作品ではあまりやらないですね。『ソーマ』は、わりと特殊なつくり方をしていると思います。大きなストーリーの流れを決めるときにはもちろん集まりますし、先ほどお話しした"至上のルセット""魔王、「玉」を語る"は、それこそ皆でいっしょに作りあげた話ですからね。

一話一話にわかりやすさと娯楽を!
『ソーマ』名物、料理のイメージビジョン。急展開に、思わず笑ってしまう!

—この作品の推す!見所はどこでしょうか?

中路 基本的には毎週読んでおもしろい、というマンガを目指しています。誰でもわかりやすく、燃えられて、しかもおいしそう。友達の家でたまたま読んだり、スマホで一話だけ試し読みした時に、なんとなく“面白かったな”と思ってもらえるような作品作り。そんなところが裏テーマかな。なので基本的には、あまりこむずかしい展開にはしないでおこうと決めています。

—テーマは料理ですが、話の流れはスゴく王道の少年マンガですよね。

中路 最近ではやっとソーマのかっこ良さも出てきたというか、読者の方にも主人公らしさが伝わってきたみたいなのでうれしいですね。周りのキャラクターも個性的な面子がそろってきて、これからもっと面白くなります。おまけに、登場した料理って、実際にちゃんと作れるんですよね。ストーリーやキャラのやりとりだけでなく、メインテーマの“料理”の部分も楽しんでもらえたらと思っています。料理を食べたキャラの、リアクションも含めて(笑)。

—はい!ありがとうございました!推す!インタビューは以上となります。…ちなみに、女の子キャラで一番人気は誰なんですか?

中路 うーん…それはもうすぐ発表される、第1回人気投票の結果を“おあがりよ!”…ということで(笑)。

—御粗末!

「推す!この一話」第2回、これにて終了!ジャンプで人気沸騰の“新鮮力”に、これからもみんな注目しようぜ!次回の更新は2月上旬。またも現役編集者によるアツい裏話が読めるぞ!お楽しみに〜!!!
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